スマートフォンより本格的な写真を撮りたいと思っている方に注目されている一眼レフカメラ。しかし、メーカーやモデルによって備わっている機能が異なるので、一眼レフカメラ選びに頭を抱えている方も多いでしょう。
そこで今回は、プロカメラマンとして活躍している吉村永さんに、初心者・上級者向けの一眼レフカメラと各メーカーの特徴について聞いてみました。
ぜひ一眼レフカメラを選ぶ参考にしてみてください。
目次
テレビ番組制作から雑誌編集を経てフリーランスに。 音楽ものVideoClipの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とする人物撮影のカメラマン。 写真機材への造詣も深く写真誌などへの寄稿、メカニズムや撮影技法解説執筆も多数。メーカー主催のプロカメラマン向けセミナーの講師も多数務めている。2017年よりカメラグランプリ外部選考委員。
テレビ番組制作から雑誌編集を経てフリーランスに。 音楽ものVideoClipの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とする人物撮影のカメラマン。 写真機材への造詣も深く写真誌などへの寄稿、メカニズムや撮影技法解説執筆も多数。メーカー主催のプロカメラマン向けセミナーの講師も多数務めている。2017年よりカメラグランプリ外部選考委員。
一眼レフカメラとは
一眼レフカメラとはレンズ交換式カメラの一種です。ミラーレス一眼と並び、高画質カメラの代表選手といえるでしょう。
フィルム時代から続く方式で、レンズから入ってきた光をカメラ内部の鏡とプリズムで反射し、覗き込み式の光学ファインダーで写りを確認しながら撮影します。
レンズを覗いている間は光をファインダーに送り込むように反射し、シャッターを切って撮影する瞬間だけ跳ね上がることでレンズからの光が直接フィルムやセンサーに当たるようになります。
可動式のミラーやプリズムを備え、これらが動くための空洞が必要なので、カメラ本体の小型化は難しいという一面があります。
多くのメーカーがフィルム時代から発売しているレンズを最新のデジタル一眼レフにも装着できることは大きな魅力です。
しかし、市場にあるレンズラインナップは豊富ですが、最新の一眼レフに古いレンズを取り付けても期待する画質が得られない場合もあることを覚えておきましょう。
一眼レフではピント合わせに「AF位相差センサー」という専用の部品を用いることができるので、スポーツ撮影などの動きもの撮影や暗い場所での撮影時にピント合わせが速いのが大きなメリット。
光学ファインダーを見ながらの撮影は、レンズから入ってきた光をダイレクトに見られるので動きのある被写体を目で追いやすいというメリットがあるのですが、カメラ設定で明るさや色を調整してもファインダーでは確認できないので、この点は初心者にはハードルが高そうです。
一眼レフカメラの選び方
一眼レフカメラを選ぶときは店頭に行って実際に試用しましょう。まずはファインダーの見え具合をチェックします。
メガネをかけている人は、メガネをかけたままの状態でファインダーの四隅までが陰ることなく見えるか?目を当てる位置がちょっとずれるだけで視界が暗くなったりしないか?などを確認します。
一眼レフであっても、光学ファインダーではなく液晶を見ながら撮影する機会が多いのであれば、ライブビュー撮影でピント合わせが速い機種を選ぶと、実際に使用したときのストレスが少ないです。
カメラの主流がミラーレスに移っていく現在、一眼レフカメラを選ぶというのは、光学ファインダーの独自の見え加減が好きであるか、AF(オートフォーカス=自動ピント合わせ)の絶対的な性能差を必要としている場合以外、合理的な理由はあまり見つかりません。
一眼レフカメラおすすめ6選|プロのカメラマンが厳選して紹介
一眼レフカメラは、メーカーやモデルによって性能が異なります。ここからはプロカメラマンとして活躍している吉村永さんがおすすめする初心者・上級者向けの一眼レフカメラをご紹介します。
一眼レフカメラおすすめ3選【操作が簡単&初心者向け】
まずは操作が簡単で初心者向けの一眼レフカメラをご紹介します。
Canon(キヤノン) / EOS 6D Mark II・ボディー
手軽なフルサイズ高画質機
手軽なフルサイズ高画質機
「もっと高画質に撮りたい!」「もっと写真を追求したい!」というコンセプトをもとに作られたフルサイズの高画質かつ小型ボディの一眼レフカメラ。
約2620万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載しており、高画質はもちろん、高感度と低ノイズを実現。
カメラ初心者でも使いやすいビジュアルガイドによって、ポートレートやスポーツなどシーンごとにおすすめされた設定で写真を撮ることができます。
有効画素数 | 約2620万画素 |
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画面サイズ | 約35.9×24.0mm(35mmフルサイズ) |
最低/最高撮影感度 | 常用:ISO 100~40000、拡張:ISO 102400相当 |
Wi-Fi | 有 |
手ブレ補正 | レンズによる |
Canon(キヤノン) / EOS Kiss X9i・ボディー
軽くて小さいベストセラー
軽くて小さいベストセラー
映像エンジンDIGIC7を搭載したことで処理能力が上がり、画質と操作レスポンスが向上。ISO感度の設定は100〜51200と幅広い。
被写体にピントを合わせるための測距点は、従来モデルの19点から45点へとアップ。瞬間的な撮影でも被写体を撮り逃しません。
また、連写速度が最高約6コマ/秒に上がったことと併せ、子どもやペットなど予測ができない動きをする被写体に対してもピントを合わせながら撮影ができます。
一眼レフながら軽く、小さく、液晶モニターを見ながらの撮影でもピント合わせがとても速い。
有効画素数 | 約2420万画素(APS-C型) |
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画面サイズ | 約22.3×14.9mm |
最低/最高撮影感度 | 常用:ISO 100~25600、拡張:ISO 51200相当 |
Wi-Fi | 有 |
手ブレ補正 | レンズによる |
Nikon(ニコン) / D3500(ボディのみ)
小さくシンプルな一眼レフ
小さくシンプルな一眼レフ
「小さく!軽く!操作しやすい!」というコンセプトを掲げているように、本体は小型ボディで軽量化され、旅行やお出かけにぴったりのサイズ感。片手で操作できる簡易性も魅力です。
初めてでも簡単に撮影できるガイドモードを搭載。撮りたい写真にぴったりの設定をカメラがやさしくナビゲートします。
小さくシンプルな一眼レフ。スマートフォンに常時ワイヤレス接続し、自動的に撮影した写真をスマートフォンに転送できるので、インスタグラムやSNSに最適。
有効画素数 | 2416万画素 |
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画面サイズ | 23.5×15.6mm(APS-C型) |
最低/最高撮影感度 | ISO 100~25600 |
Wi-Fi | 無 |
手ブレ補正 | レンズによる |
一眼レフカメラおすすめ3選【上級者向け】
一眼レフカメラを使って更にクオリティの高い写真を撮りたいと思っている上級者は、高画質だけではなく操作性や付属機能もチェックしましょう。
ここからは上級者向けの一眼レフカメラを紹介します。
Nikon(ニコン) / D850(ボディのみ)
高画質一眼レフカメラの決定版
高画質一眼レフカメラの決定版
ニコンのデジタル一眼レフカメラの中で史上最高画素数を誇る機種。有効画素数4575万画素でありながら、最高約9コマ/秒を実現させたことで高画質連続撮影が可能。
一定の間隔で撮影した静止画をつなぎ合わせて、動画のような映像を作るタイムラプスなど、こだわった撮影もできます。
高画質一眼レフカメラの決定版と言えるモデルで、画質の良さと、フィーリングの良さのバランスが高レベル。
来年はプロ向けスポーツ撮影最適モデル「D6」の発売がアナウンスされていますが、バランスの良さで本モデルは輝き続けると思われます。
有効画素数 | 4575万画素 |
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画面サイズ | 35.9×23.9mm(35mmフルサイズ) |
最低/最高撮影感度 | 標準 ISO64~25600、拡張 ISO32相当、102400相当 |
Wi-Fi | 有 |
手ブレ補正 | レンズによる |
Canon(キヤノン) / EOS 5D Mark IV(WG)・ボディー
操作性の良さと画質のバランスが◎
操作性の良さと画質のバランスが◎
常用ISO感度が32000を超えたことにより、高解像度と高感度画質を実現した一眼レフカメラ。シャッタースピードを高速にすることで、ブレを最小限に抑えられます。
プロの間でも定番となっている高画質なフルサイズセンサーモデル。突出した特徴はないものの、操作性の良さと画質のバランスに長けています。
有効画素数 | 約3040万画素 |
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画面サイズ | 約36.0×24.0mm(35mmフルサイズ) |
最低/最高撮影感度 | 常用:ISO 100~32000、拡張:ISO 50~102400相当 |
Wi-Fi | 有 |
手ブレ補正 | レンズによる |
Canon(キヤノン) / EOS 90D・ボディ
快適な一眼レフの醍醐味をこの1台で
快適な一眼レフの醍醐味をこの1台で
映像エンジンDIGIC8搭載により約3250万画素の大容量データを高速で処理し、最高約11コマ/秒(ライブビュー撮影、AF固定時)の高速連写が可能に。
また、激しく動く被写体に対してのピント合わせの追従度も高く、決定的瞬間を逃すことがありません。
ファインダー撮影時には機能しませんが、顔認識だけではなく人の瞳にピントを合わせる「瞳AF」機能が搭載されているので、自由な構図での人物撮影が可能。
最新の一眼レフで、センサーサイズはAPS-C。キヤノンが「APS-Cモデルの完成形」と語るモデルで、高速で快適な一眼レフの醍醐味が十分に味わえます。
有効画素数 | 約3250万画素 |
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画面サイズ | 約22.3×14.8mm(APS-C型) |
最低/最高撮影感度 | ISO 100~25600 |
Wi-Fi | 有 |
手ブレ補正 | レンズによる |
一眼レフカメラのメーカー別特徴
- Nikon
プロモデルから入門機まで幅広く発売。特に高画素モデルのD850は一眼レフの中でも画質と機動性においてトップレベルを実現している。 - Canon
プロモデルから入門機まで発売しているニコンと並ぶ一眼レフの二大巨頭。特に入門モデルのKissシリーズは発売以来トップシェアを続けている。 - Panasonic
フォーサーズ時代にオリンパスからメカ部分を提供してもらう形で一眼レフを発売していたが、現在はミラーレスのみで一眼レフの発売はない。 - Sony
一眼レフの可動式ミラーを動かない半透過ミラーとし、ファインダーを電子化したモデルをα Aマウントシリーズとして一眼レフの後継として発売しているが、これは一眼レフとミラーレスのハイブリッドのようなモデルで、現在は一眼レフの製品はない。 - FUJIFILM
ニコンからカメラボディを提供してもらったモデルをSシリーズとして発売していたが、現在はミラーレスに集中しており一眼レフ製品はない。
ミラーレス一眼との違いは?
ミラーレス一眼というのは名前からも分かる通り、一眼レフから可動式ミラーを無くした構成のレンズ交換式カメラを指します。
基本的に光学ファインダーがないため、背面の液晶モニターか電子ビューファインダー(EVF)を見ながら撮影します。可動部や光学部品が大幅に省略されているので、ボディが小さく軽量に設計できるメリットがあります。
また、リアルタイムでセンサーがとらえた映像を映像回路を通して見るので、常に色や明るさを目視で確認しながら撮影できます。
この方式のカメラが発売されてからまだ10年余りと歴史が浅いので、画質は同等以上でありながらレンズラインナップやスポーツ撮影などでの究極のピント追従力などは、一眼レフの最高機種に半歩遅れているのが現状です。
一眼レフカメラのおすすめ商品をまとめ表で比較
本記事で紹介したおすすめの一眼レフカメラを一覧表で比較!ぴったりな商品を見つけてみてください!
注目ポイント | 手軽なフルサイズ高画質機 | 軽くて小さいベストセラー | 小さくシンプルな一眼レフ | 高画質一眼レフカメラの決定版 | 操作性の良さと画質のバランスが◎ | 快適な一眼レフの醍醐味をこの1台で |
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商品画像 | ||||||
商品名 | ||||||
商品リンク | Amazon 52,800円(税込) | |||||
有効画素数 | 約2620万画素 | 約2420万画素(APS-C型) | 2416万画素 | 4575万画素 | 約3040万画素 | 約3250万画素 |
画面サイズ | 約35.9×24.0mm(35mmフルサイズ) | 約22.3×14.9mm | 23.5×15.6mm(APS-C型) | 35.9×23.9mm(35mmフルサイズ) | 約36.0×24.0mm(35mmフルサイズ) | 約22.3×14.8mm(APS-C型) |
最低/最高撮影感度 | 常用:ISO 100~40000、拡張:ISO 102400相当 | 常用:ISO 100~25600、拡張:ISO 51200相当 | ISO 100~25600 | 標準 ISO64~25600、拡張 ISO32相当、102400相当 | 常用:ISO 100~32000、拡張:ISO 50~102400相当 | ISO 100~25600 |
Wi-Fi | 有 | 有 | 無 | 有 | 有 | 有 |
手ブレ補正 | レンズによる | レンズによる | レンズによる | レンズによる | レンズによる | レンズによる |
まとめ
一眼レフカメラの購入を考えている方に向けて、プロカメラマンの吉村さんに初心者・上級者別におすすめの商品を紹介していただきました。
市場に流通している一眼レフカメラは、どれも高性能であることは間違いありません。その中で自分に合ったお気に入りの商品を見つけるためには、実際に店舗に足を運んでカメラを触ってみることから始めましょう。
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